簿記3級 前払金・前受金をわかりやすく解説(混同しやすい仮受金・仮払金に注意)
簿記3級の前払金・前受金の仕訳がさっぱりわからないけど?
東京都江戸川区で女性限定簿記講座を開催しているおおきFP事務所です。
簿記を独学で学んでみたものの、さっぱりわからないというお声をボチボチいただきます。
そこで、WEB上でそんなお悩みを解決できたらいいなと思います。
まずは簿記アレルギーにかからずに、仕組みに慣れることが簿記学習のコツだと思っています。
多少無理ある雑な解説になる個所もありますが、この講義でざっくりと身に付けてテキストに戻ってしっかりと学習されるといいでしょう。
大変申し訳ありませんが、当WEB講義内容についてご質問や疑問をいただいてもお答えすることはできません。
完全スルーいたしますのでご承知おきください。
誤字脱字などを発見した場合のご指摘連絡も無用です。
個人的にほくそえんでください。
簿記3級講義全35回
前払金・前受金と混同しやすい勘定科目も併せてマスターしてしまいましょう。
動画でも配信しております。
下記クリックしてYouTube動画もご活用ください。
目 次
混同しやすい勘定科目:前払金・前受金
第10回講義の仮払金、仮受金はマスターできていますか。
今回学ぶ勘定科目は「前払金」「前受金」です。
仮払金、仮受金と混同しそうなネーミングですよね。
「仮」○○か「前」○○の違いをしっかりと抑えてくださいね。
前払金の借方貸方をすっきりさせる
商品を仕入れるときの仕訳はすでに学びましたね。
復習をしておきましょう。
商品100円を現金で仕入れた(買った)ケースの仕訳です。
現金100円払った理由は仕入(商品を買った)ですね。
商品を仕入れた時は「仕入」勘定を使います。
さて、前払金が発生するのはこんなシチュエーションです。
A君が仕入先B会社に行くと、3日後にならないとA君が仕入れたい商品が届かないといわれました。
どうしても欲しいA君は購入予約をして、商品代金の一部を仕入先に置いてきました。
このお金が前払金です。
(商品を仕入れるにあたって)商品を受け取る前に払ったお金のことです。
例でみたA君のシチュエーションを仕訳してみましょう。
A君は商品100円の注文をして、仕入先に現金20円を内金として支払った。
現金を20円払っています。
右側はわかりますよね。
お金を払っていますから右手です。
左側に商品は入りません。
まだ商品を受け取ってないので仕入ではありません。
商品を受け取ったときに仕入となります。
何が入るのかといえば、商品を受け取る前に払ったお金を意味する前払金ですね。
前払金ありで商品を仕入れた時の仕訳
3日経って、仕入先B会社が商品100円をもってきてくれました。
A君はB会社に商品代金100円を支払わなければなりません。
この仕訳でいいですか?
商品は100円です。
しかし、すでに20円を現金で支払っています(前払金)。
商品と引き換えに現金で払うのは80円でいいですよね。
そこでA君は残額の80円を現金で支払いました。
左右の金額が一致しません。
商品代金100円のうち20円は商品予約時に現金で払った前払金ですね。
仕訳は次のようになります。
(左側)仕入100(右側)現金80
前払金20
左右の金額は100円で一致します。
前払金もチャラ(相殺)仕訳
A君の取引を仕訳だけ書き出しますね。
(左側)前払金20(右側)現金20
◆商品100円を仕入れて残代金80円を現金で支払った時
(左側)仕入100(右側)現金80
前払金20
前払金が左右に20円ありますから、消えます。
(左側)
◆商品100円を仕入れて残代金80円を現金で支払った時
(左側)仕入100(右側)現金80
商品100円を現金100円で仕入れたという仕訳が残りました。
人気のパブロフくんテキスト。
わかりやすいので初学者さんにおすすめです。
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前受金は逆バージョン
前受金は前払金の逆バージョンです。
前払金は商品を仕入れる側、前受金は商品を売り上げる側です。
前払金、前受金も対で覚えてしまいましょう。
われらのA君は仕入れる側でしたね。
今度は売る側であるB株式会社になって仕訳を考えていきましょう。
A君が仕入先B会社に行くと、3日後にならないとA君が仕入れたい商品が届かないといわれました。
どうしても欲しいA君は購入予約をして、商品代金の一部を仕入先に置いてきました。
前受金の仕訳
A君から商品購入の内金として現金20円を受け取った場合の仕訳は次の通りです。
(商品を引き渡す前に)受け取ったお金ですから前受金です。
3日後に商品を引き渡したときの仕訳も確認しましょう。
商品100円を売り上げて、前受金20円を差し引いた残額の80円をA君から受け取ります。
(左側)現金80(右側)売上100
前受金20
ここまで大丈夫でしょうか。
では、前払金同様2つの仕訳を書き出してみますね。
(左側)現金20(右側)前受金20
◆3日後に商品を引き渡した(売り上げた)とき
(左側)現金80(右側)売上100
前受金20
左右の前受金20円消えますね。
(左側)現金20(右側)
◆3日後に商品を引き渡した(売り上げた)とき
(左側)現金80 (右側)売上100
商品100円を売り上げて現金100円を受け取ったという意味の仕訳が残ります。
では、今回の講義はここまで!
お疲れさまでした。
簿記3級第11回WEB講義(読み飛ばしてOK)後日ゆっくり読んでください
相殺仕訳
今回の講義でも相殺仕訳が登場しました。
そろそろ慣れてきたことかなと思います。
再度確認していきましょう。
資産、費用グループは借方に計上すれば増加、貸方計上で減少を意味します。
負債、収益、純資産グループは貸方に計上すれば増加、借方計上で減少を意味します。
この大前提ルールは覚えてください。
前受金、前払金の情報が必要なくなった時点で相殺仕訳をして情報をなくします。
一度計上した前払金(前受金)を逆仕訳きることを相殺仕訳といい、前払金(前受金)があるという情報を消去することができます。
FPおおき
日商簿記検定1級
税理士試験科目合格(簿記論)
簿記3級通信講座講師経験あり