簿記3級 仮受金・仮払金をわかりやすく解説
簿記3級の仮受金・仮払金がさっぱりわからないけど?
東京都江戸川区で女性限定簿記講座を開催しているおおきFP事務所です。
簿記を独学で学んでみたものの、さっぱりわからないというお声をボチボチいただきます。
そこで、WEB上でそんなお悩みを解決できたらいいなと思います。
まずは簿記アレルギーにかからずに、仕組みに慣れることが簿記学習のコツだと思っています。
多少無理ある雑な解説になる個所もありますが、この講義でざっくりと身に付けてテキストに戻ってしっかりと学習されるといいでしょう。
◆YouTubeでも解説してします
大変申し訳ありませんが、当WEB講義内容についてご質問や疑問をいただいてもお答えすることはできません。
完全スルーいたしますのでご承知おきください。
誤字脱字などを発見した場合のご指摘連絡も無用です。
個人的にほくそえんでください。
目 次
前回の講義内容はこちらで
簿記3級の学習はかなり進んでいます
「簿記3級独学のコツ 簿記3級がさっぱりわからない人向けのWEB講座」も今回で10回目となります。
ここまでくると疑問が生じてくるのではないでしょうか?
この講義っていつ終了するの?と。
日商の標準・許容勘定科目表はプリントアウトしていただけたでしょうか。
まだの人は、日商のHPからダウンロードしてくださね。
日商の標準・許容勘定科目表に第1回講義から第9回講義までに学んだ勘定科目にチェックを入れてみてください。
どうでしょう。
学んでいない勘定科目はあと少しですね。
簿記3級最強ルールをしっかりと自分の武器にして最後まで頑張っていきましょう。
簿記3級独学・仮受金
今までたくさん仕訳を学んできました。
お金をもらうときもお金を払うときも、必ず理由がありましたね。
理由もなしにお金のやりとりが発生することはありませんでした。
まあ、当然ですけど。
では、理由のわからないお金のやり取りが発生した場合はどうしたらいいでしょうか。
例えばこんなケースです。
経理課Aさんの机の上に現金100円が置いてありました。
どうやら営業B君が営業に出る前にAさんの机に置いたようです。
しかし、B君の携帯が壊れて何のお金なのか明日まで連絡が取れません。
>今日中に100円の仕訳をきらないとならず、Aさんは困ってしまいました。
何とかしてAさんを助けてあげましょう。
簿記3級独学・仮受金の仕訳
ここでも簿記3級の最強ルールを用いて考えていきますね。
まず、100円の現金を受け取っています。
受取りですから左手です。
今までだと、右側にお金を受け取った理由を書きました。
しかし、今回は理由がまだわかりません。
そこで、理由がわからないという便利な勘定科目「仮受金」を使います。
仕訳で確認します。
100円受け取りましたがその理由はわかりませんという仕訳です。
とりあえず仕訳をきってますが、このままではマズいですね。
何のお金かわからないお金がたくさん発生してしまえば、会社のお金の流れはさっぱりわからなくなります。
そこで、B君と連絡が取れてなんのお金か理由が判明したら正しい勘定科目に修正します。
今回の100円は商品を売上げた代金としましょう。
仕訳は次の通りになります。
簿記3級独学・仮受金の仕訳を丁寧に見ていく
んんん????
と、なってますか?
理由が判明して修正したときの仕訳ができた人はここは飛ばしても構いません。
ゆっくり見ていきましょう。
理由の判明しないお金を受け取ったときの仕訳は次の通りでした。
これは大丈夫ですよね。
後日、お金を受け取った理由が売り上げた代金と判明しました。
そこで、お金を受け取った理由の部分を売り上げに変更しましょう。
↓
(左側) (右側)売上100
次に考えるのは、仮受金は商品を売上げた代金だったと判明した部分です。
仮受金が100円あるよという情報はもういりません。
そこで、左側には仮受金を記入します。
↓
(左側)仮受金100(右側)売上100
この2つの仕訳を説明上組み替えてみますね。
(左側)現金100(右側)売上100
(左側)仮受金100(右側)仮受金100
上は商品を売り上げて現金100円をもらったという正しい仕訳が完成しました。
下は、左右ともに仮受金100円が記入されていますね。
左側と右側に同じ勘定科目で同じ金額であれば、これはチャラになります。
なんだかわからないけどもらったお金(仮受金)という情報がこれでなくなりました。
簿記3級独学・チャラ仕訳
チャラ??
なんで??
そんなお声が聞こえてきそうなので、もう少しこの部分を詳しく見ていきましょう。
※第1回と第4回講義のWEB講義(読み飛ばしてOK)後日ゆっくり読んでくださいで説明していますが、余力があれば読んでみてください。読んでうわっ!となってしまったら、気にせず忘れてください。
今の例では仕訳の左右に書かれた同じ勘定科目は仮受金100円で同じでした。
これを現金にかえて考えてみます。
左手で現金100円を受け取ります。
一方右手で現金を支払います。
100円もらって100円支払いますからチャラですよね。
この説明上無理やり仕訳を行うと次の通りになります。
これでチャラです。
なんとなくイメージつきましたか?
簿記3級独学・仮払金
勘定科目は対で覚えると効率が良かったですよね。
仮受金と対になるのか仮払金です。
(理由がわからず)仮にお金を受け取ったのが仮受金、一方何に使うのかお金を渡すときにはわからないのが仮払金です。
仮受金は日常生活であまり体験しませんが、仮払金は発生しますよね(?)
例えば、家族がスーパー行くというので夕飯のおかずとか日用品を適当に買ってきてとお願いして100円渡したとします。
まだ買い物してませんから、この時点では何にお金を使うのかわかりません。
仮払いです。
家族が帰宅してレシートをもらった時に、食費60円、日用品30円、お釣り10円と、使途が判明します。
レシートをもらって(報告があって)はじめて家計簿に正しくお金の使い道を記入することができますね。
こんなイメージの会社バージョンを今から学んでいきましょう。
簿記3級独学・仮払金の仕訳
簿記3級で仮払金を使うメジャーなシチュエーションは、従業員の旅費交通費です。
従業員A君が得意先に行くので100円現金で渡しました。
ますはここまで仕訳で確認しましょう。
A君に100円払っていますから、右手でお金を渡しますね。
お金を払った理由は今はまだ何に使うかわからないので仮払金とします。
A君が帰社してお金の使い道を報告します。
練習なのでシンプルに交通費に100円全額使ったとしますね。
仕訳は次のようになります。
旅費交通に使ったお金は仮に会社がA君に支払った(仮払いの)現金です。
現金払ったという仕訳は終了しています。
仮にお金を渡したという仮払金の情報はもう不要ですから計上したときの逆側(右側)に計上して消しましょう。
説明のために2つの仕訳をまとめてみます。
(左側)仮払金100(右)現金100
現金の使い道の報告が合った時
(左側)旅費交通費100(右側)仮払金100
上記二つの仕訳を組み替える
(左側)旅費交通費100(右)現金100
(左側)仮払金100(右側)仮払金100
上の仕訳は正しい仕訳が完成しています。
下の仕訳は仮払金という情報がチャラになった仕訳です。
今日の講義内容はちょっと難しいですね。
もう少しわかりやすく伝えられないか私も考えてみます。
良い説明が浮かんだら第10回講義はリライトするかもしれません。
本日はここまで!
お疲れさまでした。
簿記3級第10回WEB講義(読み飛ばしてOK)後日ゆっくり読んでください
相殺仕訳
第4回講義では貸付金、借入金の学習時に相殺仕訳を実は学んでいました。
仮受金は負債グループの勘定科目です。
そのため、貸方に計上すると増加を意味し、借方に計上すると減少を表します。
発生したときに貸方に計上しますが、仮受けの内容が判明したときはもう不要な情報なので借方に記入することで仮受金を消します。
仮払金は資産グループの勘定科目です。
仮受金の逆で借方に記入すれば増加、貸方に記入すれば減少を表します。
資産、費用は借方に記入で増加し、負債、収益、純資産は貸方に記入すれば増加を意味します。
このルールは覚えてしまってください。