年収600万円でも貯金ゼロ。赤字家計習慣の怖さからの脱出
毎月赤字の家計が罹患している最も深刻な病気は赤字習慣
家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。
年収600万円以上世帯の赤字の見直しをメイン業務としています。
え?年収600万円以上でも赤字なの?
と驚かれますでしょうか。
家計が赤字になるのに年収はさほど関係していません。
家計をコントロールする支出力が大事なのです。
今回は毎月赤字といいつつなかなか家計の見直しに本腰がはいらないのはなぜかという赤字家計の大問題を考えていきたいと思います。
目 次
毎月赤字である家計は感覚がマヒすること
赤字家計が罹患している最も深刻な病気はこれです。
「ケ・セラ・セラ病」
これは、言い換えると「何とかなるさ」です。
ここ最近は講座で話をしていて、ケセラセラが伝わらない確率が高まっています。
年代の問題でしょうかね。
若い人に教えてもらったのが、「なんくるないさ」。
こちらはTVの影響もあってか、若い世代に伝わるようです。
毎月赤字であるといいつつも、なんとか毎月ご飯も食べられてるし目に見える大きなダメージがない。
このような状態を続けていると、マズいことに人は「慣れてしまう」のです。
「毎月お金が足りないけど、いつものことだし」と、毎月赤字でお金が足りない状態に慣れてしまうのです。
それでも何とかなる(何とかなってきた)ので、ケセラセラ感覚が増してしまいます。
毎月赤字でお金がない生活に慣れると家計の見直しができない
家計においてケセラセラ病は、大変恐ろしい病気です。
ボディーブローのようにじわじわと家計が追い込まれていくことに気が付きません。
赤字の補填で貯蓄が少しずつ目減りして貯蓄ゼロに向かっていても、何とかなるよ思考から脱出できないのです。
そもそも人は習慣を変えることに抵抗を感じてしまいます。
そのため、今まで何とかなってきたのだからという位置から動けなくなってしまうのです。
しかし、根拠のない何とかなるよ。は、いざというときに何ともなりません。
ほんの少しだけでも家計のバランスが崩れるような事態が起こればあっという間にピンチに陥ります。
病気、減給、離職、倒産、親の介護、災害など家計を取り巻くリスクはたくさんあります。
いざというときに家計の備えがなければ、もろにダメージが直撃してしまいます。
貯蓄のない家計状況を作り出すのが、赤字家計です。
そのため、赤字家計を見直そうという気がそがれてしまうケセラセラ病は大変恐ろしいのです。
毎月赤字の家計はいつ黒字家計に変わりますか?
収入から支出を引いてマイナスであれば貯蓄するお金はどこからも出てきません。
文字で書いてみると「そりゃそうだ」という感じですよね。
貯蓄がないと困ってしまうわけですから、赤字家計は早急に家計の見直しを行ったほうが賢明です。
とはいえ、実際に赤字家計の人が家計改善に乗り出さないのは、先にみたように頭のどこかで「なんとかなる」と思っているからです。
そのうち赤字家計も自然と改善されると漠然と思っている節もあります。
改善される明確な期日も根拠も持ち合わせていません。
ぼんやりと「そのうち何とかなるんじゃない」という感じで家計を捉えています。
赤字家計は黒字家計の逆の動きをしてしまいます。
赤字家計の根拠のないなんとかなる感はヤバイ
年収600万円でも貯金ゼロである弊所の相談者さんたちが同じことを言います。
「まずいと思ってたけど、そのうち何とかなるかもとも思った」と……
ムーミン谷のみぃの言葉をうるおぼえのまま借りましょう。
何とかなる。
そう根拠もなく思っているうちに、累積した赤字が大きくなり時間の問題で貯蓄が底をつきます。
貯蓄が底をつき現金が足りなくなると、クレジットカードで生活費の自転車操業を始めます。
クレジットカードで生活費の自転車操業がはじまると、もう自分では家計を健全化することが難しい状態であるといえるでしょう。
プロ(FPなどの専門家)の手を早急に借りることをおすすめします。
赤字家計を何とかなるうちに何とかする
何とかなるさと頭の中の遠い部分でうっすら思っているだけでも、家計の見直しへと重い腰が上がらないものです。
家計改善に取り組めば家計簿つけたりして負担が生じる(面倒くさい)だろうし、そんな大変な思いまでして行わなくても、そのうち何とかなるかもよ。
こんな感情が赤字家計改善へ一歩踏み出すその足にストップをかけてしまいます。
ケセラセラ病はかなり深刻です。
このケセラセラ病を脱出するためには、次の試算をしてみるといいでしょう。
今の家計赤字をこのまま毎月続けていくのであれば、貯蓄は何か月後にゼロになるでしょうか。
計算式にあてはめてください。
毎月の家計赤字の額を知らないと試算すらできません。
赤字額を知らない人は、すぐに家計簿をつけて家計の赤字額の把握をおすすめします。
毎月の赤字はヤバイとこのページを読んで少しでも感じていただけたら、家計の見直しに着手してほしいと思います。
家計の見直しを行うときに大事なルールはたった一つです。
収入の範囲内で将来のための貯蓄を含めた支出を賄うことです。
細かい部分は、下記ページをご参考にしてください。
家計の設計方法はこちらをお役立てください。