家計簿に書く繰越金は繰り越すべきではない理由をFPが解説
家計簿で算出された繰越金はどうする?
家計簿歴(もうすぐ)37年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。
家計簿のお悩みをたくさんいただきます。
市販の家計簿の中には繰越金を記入するタイプがありますね。
週単位、月単位で余ったお金は、どんどん繰り越していくべきなのでしょうか?
繰越金をどうすればいいのか?
迷われる人が多くいらっしゃるので、今回は家計の繰越金とその家計簿の記帳の仕方をご紹介していきます。
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家計の繰越金の処理について結論を先にお伝えします
市販の家計簿の中には、週ごとに予算を決めて、各週ごとに余ったお金を次の週へ繰り越すための次週繰越し金という欄を設けているタイプがあります。
その週が黒字だった場合は、お金が余ることになるので、翌週に持ち越す金額を記入するスペースです。
月単位で繰越金が出れば翌月に持ち越します。
前月からの繰り越しという記入スペースが次月の家計欄に設けられています。
しかし、結論から言えば、余ったお金は持ち越さなくて構いません。
繰越金を繰り越す条件
家計簿上で算出された繰越金。
これを実際に繰り越していくときに必要になるのが、手許の現金との一致です。
ピタリと残金が合ったことは、ありますか?
実は、私はありません。
37年家計簿生活をしているので、記帳と手許の現金が大きく異なることはありません。
しかし、数十円単位の過不足が常に生じています。
ピタリと合わない家計簿とお金
不思議なのですが、なぜか過不足が生じるのです。
まじめな人は、ここで躓いてしまう可能性がありますね。
なんで合わないの???
どこかで計算を間違えているのかも?
気になってしまうのです。
しかし、相違する金額が大きくなければ、特に気にせずにおきましょう。
手許のお金と残金が合わないヤバいケース
繰越金は不要
繰越し金を実際に翌週もしくは翌月に繰り越すことにより、実はデメリットも生じるのです。
家計管理のポイントは、一定化です。
収入も支出も一定化して予算組みをする。
こうすることにより、生活に同じリズムが出来てやりくりに頭を悩ませることが減るわけです。
手許のやりくり費の設定に関してご紹介しています。
家計管理はやりくり費の設計が命運を分けます。
家計の繰越金を繰り越すことのデメリット
週ごとの予算を立てて記入をしていく方法を利用する場合、余剰金を繰り越すということは、次の週の予算は、元々の予算プラス前週の残金となります。
残ったお金を繰り越すということは、一週間の予算が、前週との兼ね合いで変動していくことになります。
使える金額が変動すると、家計管理は大変やりにくくなります。
月単位の場合も同じです。
あと残し貯金
予算が余ったら、いったん使い切ったと仮定して封筒等にしまっておきましょう。
月末の救世主になるかもしれませんし、へそくりになることもあるでしょう。
やりくりの結果残すお金を「あと残し貯金」と勝手に命名しています。
家計の基本ルールはたった一つです。
収入の範囲内で将来のための貯蓄と現在の支出を賄うこと。
そのためには、収入から将来のための貯蓄を差し引いた金額が現在使えるお金となります。
将来のための貯蓄をきちんと確保しているのであれば、残額は使ってOKなお金となります。
家計の基本ルールを知ると、家計管理が格段に上手くなります。
そう、予算設計が適正であれば、やりくり費はすべて使い切っていいお金です。
使い切っていいお金が残ったのであれば、へそくりましょうよ。
そう考えると、節約も楽しくなりませんか。
へそくりを作る方法はこちら
残ったお金の使い方
「あと残し貯金」がまとまった金額になれば、家族で食事してもいいでしょうし、自分で使っても構わないわけです。
家計的には使い切っていいお金の残り。
わざわざ翌月の家計に繰り戻す必要はありません。
繰り返しになりますが、家計管理のポイントは「いつでも同じことを同じように行う」ことです。
赤字家計の場合
今見てきたのは、黒字家計のケースです。
まあ、黒字家計の場合は繰越金に関してそんなに気にする必要もありませんけどね。
問題は赤字家計の場合です。
繰り越すのがマイナスだと、月の途中で家計簿記帳が嫌になってしまいます。
するとね、家計簿つけるのを辞めてしまうのです。
気持ちお察します。
とはいえ、マイナス額を知ることは大事ですから記帳は行ってほしいのです。
そこで、赤字家計が赤字額(の多さ?)に気づかずに一カ月記帳するためには繰越欄の使用は避けたほうがベストです。
今回の繰越金のように、家計簿にお悩みのある方は、講座で学ぶのもオススメです。
下記の家計簿講座では、お金を貯めるための家計簿の使い方、管理の仕方を一通り学べます。
効率的にお金を貯めていきたいと思われましたら、ぜひご活用ください。
FPおおき
1級ファイナンシャルプランニング技能士
家計簿歴36年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)