家計簿初心者さんのための家計の基本ルール
家計設計の基本ルールはシンプル
家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。
家計のお悩みをたくさんいただきます。
色々なお悩みを聞かせていただくのですが、ほとんどが枝葉の部分で何かともがいている感じです。
家計はしっかり根を張った幹を作ることが大切です。
ここさえ抑えておけば、あとはどうでもいいのです。
そこで、今回は、家計の土台ともいえる基本的な設計ポイントを考えていきましょう。
目 次
貯蓄上手の決め手は節約より基本ルール
貯蓄できる人とできない人の大きな差は、基本ルールを知っているか否かによります。
家計を設計するためには基本ルールがあります。
いろいろなネット記事を拝見すると、記事を挙げているFP(ファイナンシャル・プランナー)さんでも、このルール外で考えている人が多いなと感じます。
それの是非は置いておきますが、家計をコントロールして貯蓄を行っていくためには節約よりも基本ルールが大事です。
家計簿初心者さんはムダに壁に当たる必要はありません。
正しい方法を知って、始めから貯め家計を作っていきましょう。
では、家計簿初心者さんに知っておいてほしい家計の基本ルールをご紹介します。
貯蓄を行うためのコツは一つだけ
貯蓄を行うための定義はたった一つしかありません。
収入の範囲内で将来の貯蓄を含めた支出を賄うことです。
収入>(もしくは=)支出(貯蓄を含む)
このシンプルな定義をどのように家計に組み込んで管理していくか。
ここがポイントになるわけです。
収入は貯蓄と支出に配分されます。
将来に必要となるお金を今から準備していくのが貯蓄です。
そして、今現在の生活を支えるためのお金が現在の必要支出です。
貯蓄は今と将来のバランスが大事
収入を現在の生活支出に多く割り振れば、当然ながら将来への貯蓄は少なくなります。
逆に、貯えばかりしていくと、今現在使えるお金が少なくなります。
現在も将来も、どちらも自分自身の大事な人生です。
どちらかばかり偏って充実させるよりは、どちらもバランスよく行ったほうがいいですよね。
そのためには、先をも見据えて今の家計を考える必要があります。
今の生活だけを見ていては、人生を通しての収入の適正配分を行うことは難しくなります。
と、いうことは、先の支出予定をあらかた考えておく必要が出てきます。
さすがに、こと細かく数万円単位まできっちり試算なんてできませんし、そんな必要もありません。
おおざっぱで構いませんから、どのようなことにお金が必要になるか考えてみましょう。
多額の資金が必要なイベントから貯蓄額を考えてみる
子供がいれば、大学資金が18歳時点で必要になりますよね。
教育費は18歳までではなく、15歳までに貯める理由を解説しています。
持ち家であれば、リフォームや建て替え、修繕などの費用。
自家用車を所持していれば、修理や買い替えも生じるでしょう。
忘れてはならないのが、老後資金ですね。
このようなお金は時間をかけて貯蓄をしていくことになります。
その時になればなんとかなると考える人は多いものですが、何ともならない確率のほうが高いだろうと言えます。
支出は将来ですが、現在から支出時期を想定して蓄えていく必要があるのです。
将来必要な資金が存在することがわかれば、現在の収入をそれに応じて配分することになります。
とくに、老後費は現役時代の収入を収入のなくなった老後に振り分ける作業ですから、現役時代にしか備えることができません。
もちろん、一生稼げれば別でしょうが。
家計管理は今と将来を守る武器
前置きが長くなりましたが、この配分を考えるのが家計管理です。
どのように配分していくのか。
これが家計にとって大事な課題になります。
繰り返しになりますが、今と将来のバランスを程よくとる家計設計が必要になるのです。
現在の家計の支出配分はどのように決定していますでしょうか。
多くの家計は、支出積み重ね方式で行っています。
住居費の上に必要と思われる支出をどんどん増やしていって出来上がった家計です。
収入の範囲内で貯蓄を含めた支出を設計しましょう
ほとんどの家計で、収入に比してどのように支出を組み立てるのかという検証は行っていないでしょう。
貯蓄を行うのであれば、家計の設計方法をピザカット方式へ変える必要があります。
ピザカット方式について詳細は拙著に譲るとして、ここでは簡単にご紹介しますね。
先に述べたように、家計管理は収入の範囲内で将来の貯蓄をも含めた支出配分を考えることです。
重要度の少ない支出項目は削減していくことになるでしょう。
一般的な家計記事では、この大事な部分がそっくりと抜けているものを多く目にします。
支出積み重ね方式で家計を設計し、残金が食費などのやりくり費に充てられた話の展開です。
そのため、いくら手許のやりくり費を節約しても、貯蓄は難しいし、家計も楽にならないのです。
やりくり費の算出はこちらでご紹介しています。
節約しても貯蓄できない支出積み重ね家計方式の弱点
何となく決めた家賃を土台として、もろもろ必要である(と思った)支出が年々積み重なってできた家計。
これが、支出積み重ね方式家計です。
この家計の最大の問題点は、収入から必要である(と思った)支出をどんどん引いて、残ったお金がやりくり費になることです。
このやりくり費の金額の妥当性って検証していませんよね?
そもそも、いろいろ頑張っても手許の食費等が毎月10万円必要な家計であるとしましょう。
固定費、変動費などの支出を引いてその残額が、やりくり費になりますが、その割り当てられる金額が10万あるかどうかです。
ここをしっかりと確認しないと、いくら節約しても家計は楽にはなりません。
効果の出る方法で家計を管理しましょう
苦しいばかりで家計は一向に改善せず。
これでは、嫌になってしまいますよね。
家計を改善して貯蓄するためには、いままでのやり方である支出積み重ね方式からピザカット方式へと家計設計を変えましょう。
そりゃ、最初少しは手間がかかります。
しかし、家計の支出配分を適正に行うことができれば、その後は習慣化して、必要があれば微調整するだけになります。
お金の心配から解放されると、心が軽くなります。
家計設計の基本は、収入の範囲内で将来の貯蓄をも含めた支出配分を考えることです。
ぜひ、適正な家計設計を考えてみてほしいなと思います。
実際の家計設計変更の手順はこちらでどうぞ
家計簿を学ぶ講座(2級)