クレジットカードはキャッシュレス化でも上級者アイテムです!現金での家計管理のススメ
クレジットカードは上級者アイテム
家計簿歴35になった家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。
まだまだ日本は現金社会。
それでもキャッシュレス化への流れは否めないでしょう。
上手に付き合っていく必要がありますよね。
とはいえ、クレジットカードを利用して家計がコントロール不能に陥る家計が続出しています。
今回は、クレジットカードの使用について考えてみましょう。
目 次
クレジットカードは便利なアイテム
あなたのお財布の中には何枚のクレジットカードが入っていますか?
すっかりとカード社会になった今では、クレジットカードを一枚も所有していない人の方が珍しいくらいです。
ポイントが貯まる。
現金がない時の急な支出にも対応できてとても便利。
小銭が煩わしくない。
レジでピッピと、なんか最先端ぽくてかっこいい。
クレジットカードは家計管理上級者アイテム
そんなクレジットカードですが、これははっきり言って、「支出力」の高い家計管理上級者さん向けアイテムです。
気軽につくれる割には、使いこなすのがとても大変なアイテムです。
「支出力」の低い家計管理初心者さんには向きません。
家計管理初心者さんは、いったんクレジットカードを手の届かないところにしまって、現金でのやりくりを心がけましょう。
クレジットカードがなぜ上級者アイテムなのか?
これは、クレジットカードを利用することによって家計のやりくりが大変になるという大きなデメリットがあるからです。
クレジットカードは家計管理を狂わします。
家計管理は現金管理で行いましょう。
クレジットカード使用時のタイムラグで家計管理不能に
クレジットカードは購入時と購入代金の引き落とし時のタイムラグ(時差)が生じます。
クレジットカードは商品購入時にその代金の引き落としはされませんよね。
利用しているカード会社によってその引落日は違いますが、購入したときと支払の時の二つの日が存在します。
これがタイムラグです。
すると、次月に引き落とされる金額が把握しずらくなります。
こまめに利用明細書を家計簿に記帳していればいいのでしょうが、カード利用者でそのような傾向の人はあまり見かけません。
これが大問題なのです。
後で詳しくみていきましょう。
収入がなくてもクレジットカードの支払いはやってくる
まず、クレジットカードとはどういうものか見ていきましょう。
クレジットカードを使用して商品を購入すると、支払いは将来の一定日として確約します。
一方、その支払いとされる将来の一定日に収入が確実にあるかどうかというと、こちらは不確実です。
例えば、カードで商品を購入し、支払いは数か月後のボーナス払いとしたとします。
その間に会社が倒産。
ボーナスどころか就業もままならないことに……
そんなこと、大げさであり得ないといいきれますか?
毎月給料日に給料を手にしていると、それがなんら変わることなくずっと続いていくという錯覚を抱いてしまいます。
しかし、会社の倒産、リストラによる退職、けが・病気など様々な要因により将来の収入は未確定なのです。
未確定収入に確定支出
給料は必ずもらえるとは決まっていません。
万が一収入がストップするようなことになっても、クレジットカードを利用して将来支払うと約束をした支払いはストップしてはくれません。
収入がなかったとしても、どうにかして支払わなければならないのです。
クレジットカードを使用するということは、この二つをイコールで結んで契約するということになります。
将来の確約された支出
将来の不確定の収入
しかし、この二つは決してイコールにはなりません。
なぜなら、今見てきたように、収支のアンバランスなリスクがあるからです。
“将来もらえるかわからないお金をあてにして、ツケで物を買った”と、言い換えると恐ろしいほどわかりやすいかと思います。
もらっていないお金で買い物をするリスク
そんな将来の不確定な収入を見込んで高額の商品をカード一括払い等での購入することの危険を背負うよりも、毎月その必要となる金額を積み立てておいて商品の購入に充てる方がよっぽど安心です。
冷蔵庫などの家電や車などある程度買い替え時期の想定のつく支出は、高額商品用の先取り貯金として毎月の家計の中から積み立てていく習慣を利用していきたいですね。
タイムラグの発生が家計コントロールを難しくする
さて、クレジットカードは扱い辛いので、「支出力」の高い上級者向けアイテムであるとご紹介しました。
理由はいくつかありますが、先に書いたタイムラグの問題点にフォーカスして見ていきましょう。
クレジットカードの使用は、先述の通りタイムラグが問題となるのですが、これが家計のバランスを崩す原因となっていることがあります。
クレジットカードでの購入は、購入日と支払い日の二つの日が生じます。
クレジットカードの利用は、高額商品の購入だけではなく、食品などの日常の生活に係る支出に使用しているケースも多いですね。
日常の生活費にもカードを使用するこのような場合、ちょっと工夫をしておかないと家計管理が非常にやりにくくなってしまいます。
クレジットカードを使用するデメリットは、家計がわからなくなることです。
次月の生活費がスタート前から少なくなるリスク
当月(過去にクレジットカードを使用した)分の支払いを差し引いた残りの金額がその月の生活費になりますよね。
例えば、住居費などの固定費や光熱費などの変動固定費を除いた手許でやりくりする生活費が96,000円の家計でみてみましょう。
4月にレジャー費25,000円をカード払いしていたとします。
その使用分が5月に引落しだった場合は、5月の生活費は当然のごとくマイナス25,000円のスタートとなりますね。
4月では手許のやりくり費が96,000円だったのに対して、5月ではカード引落分があるので71,000円です。
このカードで利用した分が5月の家計内で吸収できればいいのですが、できなければ当然に生活費は足りなくなります。
そうなれば、5月もクレジットカードを使用して現金での生活費が足りない分の支出に充てるか、もしくは貯金を取り崩して補充をすることなります。
家計が回らなくなる自転車操業
現金での生活費のやりくりが難しくなり、貯金を取り崩す、クレジットカードを使用しないと家計が回らない状態。
これは、赤字の問題を先送りしている状態です。
取り崩す貯金がなければ、クレジットカードで食品や日用品を買わざる負えなくなります。
いわゆる自転車操業ですよね。
いつ行き詰ってもおかしくありません。
このようにクレジットカードの使用は、正常な家計状態を保てなくなってしまう危険が潜んでいます。
クレジットカードの引き落とし金額が毎月ほぼ一定であれば、予算としてあらかじめ組み込むことができます。
しかし、3月は5万円、4月は2万円、5月は3万円の引き落としと、月によって異なってくると、今月は生活が楽だけど、来月は苦しくて大変。
といった、ばらつきが生じて家計管理がやりにくくなってしまいます。
こういった理由から、家計管理初心者さんへはクレジットカードの使用はおすすめしていません。
キャッシュレス社会で生きるには練習が大事。
大きく転ぶ前に、現金での管理を身に付ける。
現金で家計管理をマスターする
いったんカードをしまって、現金で家計をやりくりすることをおすすめします。
「支出力」をしっかりと身につけることが先決です。
しかし、カードを使用することにより貯まるポイントが気になる人もいます。
そのような場合は、光熱費等の支払いのみに利用して、食費や日用品などの日常の生活費はいったん現金にしてみてはいかがでしょうか。
それでも生活費にクレジットカードを使うという場合は、次のようなルールを決めるといいでしょう。
・使う額を毎月ほぼ一定の金額に設定する
・つかった都度、現金を封筒等に取り分けておく
いくら引き落とされるのかを把握しておかないと、口座の残高が足りているのかどうかといった引落不足が心配になります。
使う金額をあらかた同じにしておけばそういった心配もなくなります。
つかった都度、その分の現金を封筒等に取り分けておく場合ですが、ある程度まとまった金額になったらクレジットカード引き落とし口座へ入金しておきましょう。
給料日前に家計が苦しいと、ついついその現金に手を伸ばしがち。
まとまった現金を手許に置いておくのは心がよほど強くない限り危険です。
メジャーな現金管理法。
使いやすいかどうか検証しています。