黒字家計の特別費は固定費に計上して管理。家計簿の書き方ひとつで家計は変わる!
黒字家計の特別費は注意が必要
家計簿歴36年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。
年収600万円以上世帯の赤字家計の改善をメイン業務としています。
以前にも触れたと思うのですが、やはりまだまだ誤解の多い特別費の管理。
家計管理の中でも大変重要な部分ですので、再度取り上げてみます。
普段の赤字家計ではなく、今回は黒字家計の特別費です。
また、YouTubeでも配信いたしましたので、よかったらご視聴ください。
家計簿を学ぶ基本講座
黒字家計の特別費
収入から固定費、変動費を差し引いた残額であるやりくり費の中で「特別費」を賄って、しかも黒字である家計。
理想過ぎる家計ですが、意外と存在します。
このような家計では、特に特別費を意識しておらず、毎月の家計に負担させている傾向がみられます。
ようは、支出を月の収入で賄えるがために、特別な支出が発生するたびにその月々の支出に組み込んでいるわけです。
特別費を抜き出してみる
なんとなく特別費をその月の収入で賄っていることのデメリットは、2つ。
いざというときの家計改善に時間がかかること。
それと、やりくり費がブラックボックス化して貯金の機会が減ることです。
なんでもかんでもやりくり費から支出していると、わが家のお金の流れをつかみにくくなります。
そこで、特別費を抜き出してみることをおすすめします。
やりくり費として、基本的な生活費である食費、日用品費、その他(不定期な病院代など)。
それ以外の冠婚葬祭やレジャー、衣服費などを特別費として別カテゴリーにします。
この辺の手法は赤字家計と同じです。
特別費を予算化して固定費に計上する
さらに、特別費を予算化することも赤字家計と同じです。
一年分の特別費予算をボーナスへ負担させるのが赤字家計でした。
黒字家計では、1年分の特別費予算を12割して各月に均等負担させていきます。
この時に計上する家計簿のエリアは固定費にしておきましょう。
やりくり費は生活費として使い切って良いお金だけにしておくと、食材の買物などのやりくりがやりやすくなります。
特別費の予算を別口座で管理する
固定費に計上した特別費は、生活費口座内に残しておくと訳が分からなくなるので、切り離しましょう。
給料が振り込まれて、そこから各種口座引き落としがされるその口座を生活費口座と呼ぶことにします。
その生活費口座とは別の口座、POOL口座と呼んでいますが、この口座へ資金移動させます。
POOL口座は一時的に資金を置いておく口座です。
貯金口座とも区別しておきます。
余談になりますが、ここを誤解されている人が多いので、少し触れておきますね。
大変危険な貯金の誤解
年間100万円貯金できました!
とか、
年間200万円貯金できました!
というフレーズをよく目にします。
低所得でも年間100万円!というキャッチ―な記事もあります。
どの記事もよく読んでみると、貯金を誤解しているものが含まれています。
もちろん、純粋に貯金が確保されている家計もあるかと思いますが。
ただし、もし、貯金を誤解している場合は大変危険です。
特別費の予算を別口座で管理する
危険な家計とは、貯金額100万円の中に、いろいろなお金が混在しているケースです。
長期的に保有できるお金と、将来的に使い道がすでに決まっているお金、短期的に使用するお金。
短期的に使用するお金では、すぐ支払予定の車検費用や固定資産税分も貯金で計上しているケースが多く見受けられます。
これらは貯金ではなく、一時的な資金留保です。
お金に色を付ける(何に使うための貯金かを明確にする)と、実は手許に残らないという家計。
一時的な資金POOLを貯金と勘違いして安心していると、実際の貯金額があまり増えていないことに気が付かないこともあります。
将来のこのコストに対する備えがないから、現在の貯金を充当するとなると貯金額赤になるよね?
こんな笑えない冗談のような家計は多いものです。
POOL口座で特別費を管理する
貯金と使う予定のお金を区別することの大事さから話がそれましたが、このような勘違いを起こさないためにも、口座を分けておきましょう。
この口座がPOOL口座です。
ここに特別費を確保して、この口座の中からやりくりをしていきます。
特別費管理専用のシートを作成しておくと、各費目のお金がそれぞれ食い込んでしまうことを防ぐことができます。
例えば、レジャー費を使いすぎて洋服を購入するお金が無くなったなどです。
毎月の固定費に計上してお金は切り離しているので、実際にお金を使用した時に月の家計簿に記入は不要となります。
そのため特別費のシートは作成しておくと便利です。
黒字家計の特別費の管理は雑になりがちです。
予算立てをして家計から切り離しておくと、管理しやすいし、また、貯金額アップの可能性も見いだせるかもしれません。