教育費は大学入学までにいくら貯めておけばいい?
大学入学直前で教育費がないことに直面する
家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。
家計のお悩みをたくさんいただきます。
子供の入学直前期になって「お金がない!」というご相談は意外にも多いものです。
教育費がない原因は、生活が苦しいためではなく、考えていなかったこと。
今回は、想定しておくこのと大事さを見ていきたいと思います。
目 次
入学直前に教育費のお金がないことに気が付く
「子供の大学資金がありません!」
入学シーズン前になると高校入学の制服代を予定していなかったとか、大学受験費用がないなどのご相談が増えてきます。
直前にならないと、お金が必要になることが自分事として捉えるのが難しいようです。
教育費の貯金不足で慌てない家計を作っておく
とはいえ、少し先のことを考えるのが苦手!と、言ってる場合ではありません。
教育費の貯蓄がなければ入学直前で困ってしまうわけですから、計画的に準備していきたいものです。
そこで、取り入れたいのがシナリオプランニング。
シナリオプランニングは経営を考える手法として知られています。
もともとは軍隊で発展したそうです。
これは、不確実な未来に対して、様々なシナリオを立て対策を考えておこうというものです。
多大な影響を与えることを考えておこうというのが、シナリオプランニングです。
先を想定しておくことの大事さ
これは、私たちのよく知っている有名な言葉で置き換えられると思います。
「想定内」
想定しておく場合と、想定しておかない場合では、実際に物事が起こったときに大きな違いが生じます。
例えば、雨が午後から降るかもしれない、と想定しておけば、布団干しませんよね?
出かける際にも、折り畳みの傘を持参するでしょう。
もし、なんらお天気に意識がなく、晴れている今の空だけを見ていたならば、午後からの雨に布団は台無し。
傘の準備なく出かけて雨に濡れる。
しまった!天気予報見ておくべきだった!
このような経験がある人も多いのではないでしょうか。
家計管理も先のイベントを想定しておく
先のことをあれこれ考えるシナリオプランニングは家計管理においても必要な考え方です。
未来を想定していくこと。
ほとんどの人が未来を想定することが苦手です。
すっかりと忘れていた年払いの支払いに慌てたりしますから、一年後くらいでも見通しておくのはかなり大変かもしれませんね。
一年後でも大変なのですから、長期的な視野に立って資金準備をする教育費ではなおさら大変です。
教育費(大学の授業料)は18年後
特に、教育費は顕著にその傾向が出ていると感じます。
子供が生まれた時に、18年後には大学資金等のまとまったお金が必要になることは想定できます。
しかし、なかなか18年後という遠い未来を見て、貯蓄を行う行動には移せないようです。
そのため、直前になって教育費の工面をするためのご相談を受けたりもします。
まだ先だから。
そんな感じでゆったりと構えていたら、あっという間にお金が必要な年齢になった。
どうしよう。
このようなご相談です。
人は直前の支出しか想像できない
毎日忙しいですからね。
仕事に家事育児、親戚関係に近所付き合い。
学校行事もあって、バタバタかと思います。
なかなか先のことまで考えてみる余裕もないのかもしれません。
そのため、直前にならないとなかなか自分事として捉えてもらうことは難しいですね。
とはいえ、家計に大きな影響を与えるだろう教育費などの出来事に関しては、予め想定しておきたいところです。
教育費はいくら貯めておけば安心か?
準備しておく必要性はわかった!
ところでいくら準備する?
大事ですね、貯金額の目標。
いくら貯めればいいのか目安がないと人は動けません。
そこで、進路、学校、学部によって必要な金額は異なりますが、ざっくりと目安を見ておきたいと思います。
私立文系であれば学校への納入金は400万円~500万円程度です。
私立理系であればプラス100万円程度アップでしょう。
最近は各学校のHPで授業料の確認ができますから、気になる学校を数校見てみることをおすすめします。
ここではW大学の授業料(2020年度入学者)を参考例に見ておきましょう。
法学部は初年度納入金が約117万円です。
2年次から4年次までの合計が約353万円です。
4年間の合計は約470万円となります。
子供が生まれる前から教育費の準備を始めると、無理なくためられます。
大学入学前の1年間にかかる費用もある
進路にもよりますが、高校時代に塾へ通うこともあります。
この期間の塾代を想定していないと、大学費用として貯めたお金を取り崩すことになってしまいます。
大学費用のほかに、高校時代の塾代がかかることも考えておくといいでしょう。
さらに、受験形態によってもかかる費用が異なります。
推薦やOA受験であれば、費用を抑えることができます。
一方、センター試験を受ける場合は受験料だけでも数十万円単位になります。
抑え校の入学金も必要ですから少なく見積もっても50万円程度は準備しておくといいでしょう。
自宅通学以外は生活費がかかる
大学費用は大学へ納入する授業料などのお金以外にも、自宅通学以外の場合は生活費も必要になります。
居住地が都市部であれば通学という選択ができるでしょうが、通える範囲内に大学がなければ一人暮らしや寮を検討することになります。
バイトで生活費のすべてを賄うことは大変難しいでしょうから、親からの仕送りを合わせて生活を考えることになります。
学費は考えていたけれども、仕送りは想定外というケースはままみられます。
子供が一人であれば何とかしのげるかもしれませんが、二人、三人ともなれば大変です。
早い段階から計画的に組み込んでおくといいですね。
教育費の準備は楽観視パターンだけでは怖すぎる
「私立高校なんて考えてもいませんでした!」
まさか都立高校に落ちるとは思ってもいなかったという。
わが子は公立高校へ進学だからお金がかからないと頭から決めていると、思いもかけない私立高校への進学で資金繰りに頭を悩ませることになります。
甘い見通しで、その後の資金繰りに四苦八苦することになります。
不確実な未来のことですから、厳しい設定、平均ライン設定、楽観視設定などパターンを変えてみるといいでしょう。
将来のイベントやリスクを想定して準備しておくことが大事です。
教育費は考えやすいイベントですから、ぜひ早めに対策を立ててほしいと思います。
ちなみに、将来設計を全くされていない家計においては、人生そのものの運営が、楽観視設定かもしれませんね。
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