年収600万円でも貯金ゼロ。赤字家計でも先取り貯金は行うべき?
赤字家計でも先取り貯金は行うべき?
家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。
年収600万円以上世帯の赤字家計改善をメイン業務としております。
え?
年収600万円以上世帯でも家計は赤字?と驚かれますでしょうか。
赤字になる家計の特徴として、年収はさほど関係していません。
貯蓄家計であるために必要なのは支出をコントロールするスキルです。
今回は、よく聞かれるテーマ。
赤字家計に先取り貯金は必要かを考えていきましょう。
先取り貯金とは?
貯金するには先取り貯金!
というフレーズはかなり浸透していますよね。
(あ、初めて聞いたという人はここで覚えてください)
確かに貯金するには先取り貯金が適しています。
収入から先に一定額を貯蓄に回して、その残額で生活を組み立てるからです。
例えば手取り30万円としましょう。
4万円を先に貯蓄分として確保し、残額の26万円で生活をするということです。
収入の配分について貯蓄を優先順位一番に置いているのが先取り貯金です。
先取り貯金の適正な金額を割り出す方法。
先取り貯金の定義を明確にして家計を圧迫しないことが大事。
どのタイプの赤字家計ですか?
赤字家計でも先取り貯金は必要でしょうか?
この問題は、赤字家計を赤字のタイプ別に分類して考えてみましょう。
赤字家計といっても、実は大きく2つに分けることができます。
一つは、過度な先取り貯金により赤字が生じている家計。
もう一つは、年収600万円でも貯金ゼロ家計に多いケースで、年収より支出が大きく、貯金どころかお金が足りない状態の家計です。
不適切な先取り貯金の設定で赤字家計に
過度な先取り貯金により赤字が生じている家計から見ていきましょう。
財形貯蓄を利用して、給料から天引きするタイプの先取り貯金を行う人に見られる赤字です。
先取り貯金額が多過ぎて、生活費が足りなくなってしまうケースです。
貯蓄を行う一方で、不足分は貯金を取り崩して賄っています。
財形に貯蓄。
貯金口座から引出し。
アンバランスな行為ですよね。
例えば財形貯蓄を4万円行い、生活費の不足分3万円を貯金から取り崩すようなイメージです。
しかし、財形に貯蓄しているという安心感から、貯金を引き出しても危機感があまり感じられません。
実際はこの先取り貯金額と引き出し額の差額が、純粋な貯蓄分になります。
財形貯蓄4万円-貯金引き出し額3万円=1万円
1万円が月の貯蓄額になります。
その他の家計配分が全て適正であると仮定すれば、毎月1万円財形貯蓄に回しても問題なさそうですね。
たったこれだけで赤字家計から脱出することができます。
逆に、財形貯蓄額以上の取り崩しをしているケースも考えられます。
財形貯蓄4万円-貯金引き出し額5万円=▲1万円
この場合はこれから見ていく収入より支出が大きく、貯金どころかお金が足りない状態の家計と同じように家計改善が必要になります。
先取り貯金が家計を圧迫しないように設計する
赤字家計は収入を超過する支出がある状態
次に、収入より支出が大きく、貯金どころか毎月お金が足りない状態の家計パターンを見ていきましょう。。
収入よりも支出が多い家計です。
いわゆる赤字家計。
そもそも家計は、収入の範囲内で将来分の貯蓄を含めて支出を賄うことが基本です。
先ほどと同じく収入を手取り30万円とします。
この中で将来のための貯蓄と現在の生活費を賄うわけです。
収入は貯蓄と生活費に分けられます。
赤字家計の場合は、収入をすべて今現在の生活費にあてても足りないのです。
ということは、答えは出ますよね。
赤字家計は先取り貯金を行うことができません。
赤字家計を脱出して貯め家計になるコツ
赤字家計は貯金はできない
赤字家計でも先取り貯金を行うべきかという質問が多いと前述しました。
今見てきたように答えはいたってシンプルです。
30万円の収入に対して32万円生活に使っていると仮定しましょう。
すると、貯金どころか生活にあてるお金が2万円足りないのです。
お金が足りないのであれば貯金分を確保することはできません。
したがって、赤字家計は貯金ができません。
赤字家計は先取り貯金ではなく家計改善を行う
赤字家計が考えなければならないのは先取り貯金を行うことではなく、家計を見直しすることです。
収入に対する貯蓄と支出のバランスを整えることです。
赤字家計でも先取り貯金を行ったほうがいいのかと考える原因は、家計を把握していないことにあります。
今見てきたように収支がわかれば、貯金ができないことは一目瞭然です。
まずは、家計を把握することから始めましょう。
家計設計の基本手順