先取り貯金の成功は貯金額の設定にある
先取り貯金は何のためにしますか?
家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナーおおきです。
先取り貯金は貯蓄方法として推奨されていますよね。
しかし、上手に使えている人は少数派。
その原因を今回はご紹介していきたいと思います。
先取り貯金を行う場合は、貯蓄の分類を必ず一緒に行うことが大切です。
先取り貯金とは?
収入から先に貯蓄部分を差し引いて、その残額を生活費にあてる。
これが、先取り貯金ですよね。
そして、貯蓄するためには良い手段とされています。
これに異論はありません。
残ったら貯金しよう!となれば、まず間違いなくお金は残りません。
そこで、一定額を先に貯蓄へとまわすわけですが、重要になるのが、先取り貯金の金額です。
いくら貯蓄として先に確保しておけばいいのでしょうか。
※貯金、貯蓄と異なる言葉が登場します。
貯金は銀行に預ける現金、貯蓄は銀行貯金のほか、投資信託や国債などの金融商品なども含むものと、ざっくりとイメージしてもらえればいいかなと思います。
先取り貯金の金額は計画的に設定する
先取り貯金の金額を考えるにおいては、先取り貯金の定義を今一度明確にする必要があります。
ネットで先取り貯金をキーワード検索すると、ずらっと記事が出てきます。
そのほとんどが、先取り貯金の額に関しては不明確なものばかりです。
収入から先に貯蓄部分を確保するとだけしか書いてありません。
金額に関して筆者がネット検索した結果は、こんな感じでした。
・無理のない金額から始めましょう
・月5千くらいからスタートして慣れたら増やしましょう
・いくらでもいいので、まずは始めてみよう
ようは、その記事を書いている人自身が先取り貯金の定義がきちんとできていないわけです。
貯蓄癖のない人が毎月一定額貯蓄する練習として行うから、無理のない金額から。
このような趣旨で行うのであれば、先取り貯金は意味がないと言わざる負えません。
なぜ貯蓄が必要なのか
そもそも、貯蓄する意味はどこにあるのでしょう。
何かしらに対して備えておく必要があるから行うものではないかと思うのです。
例えば、緊急な医療費用に50万円貯めておく、リフォーム資金に100万円準備しておくなどです。
その目的のため、いつまでに・いくらを貯める必要があると明確にして計画的に行うために取り入れるのが先取り貯金だと筆者は考えています。
将来かなえたいイベントや備えておきたい資金を準備するために行うのが、先取り貯金なんです。
筆者は、そう定義しています。
先取り貯金を何のために行うのか?
ここが明確になれば、毎月貯蓄するべき金額はおのずと答えが出てくるはずです。
間違っても、家計に無理のない金額からなんて文言は出てきません。
逆算して求める先取り貯金額
具体的に数字でみましょうか。
5年後に300万円の車に買い替えたいとします。
現在半分の150万円準備できています。
5年間で残りの150万円を貯蓄していくわけです。
もう答えが出ますよね。
月2.5万円貯蓄していけば5年後には150万円貯まっています。
このために、毎月2.5万円は貯蓄として先に取り分けておきたいのです。
だから、先取り貯金を行うのです。
では、同じく5年後に車を買い替えるとして、家計に無理のない金額を先取り貯金額としてみましょう。
わが家では、5千円が精一杯だったとします。
5年後には30万貯まりますね。
変えますか?
車。
先取り貯金は計画的に行う
家計に無理のない金額でお金を貯めたら、わが家の夢はかなうのか否かを考えることが大切です。
後者の例では120万円不足するから、車購入の選択肢が変わりますよね。
・グレード落とす
・ローン組む
・買わない
・先に延ばす
これは、先取り貯金の定義が不明確である結果です。
マネー記事でよくお見掛けするフレーズですが、家計に無理のない金額からとか、月数千円からなんて言葉は耳障りは良いのですが、筆者の先取り貯金の定義にあてはめると、意味ないといえるでしょう。
今と未来を調整するのが計画的な貯蓄
貯蓄は今と将来のバランスを上手にとって行う必要があります。
今の生活を我慢ばかりしてお金を貯めて、とにかく老後に残す。
今の生活を重視しすぎて、先の貯蓄はほとんどない。
このような極端な例も意外と多いものです。
そこで、筆者の行う家計管理は次のことをテーマとしています。
自分の生活レベルの中で、今も楽しく、将来も安心なちょうどよいバランスを見つけていくこと。
今使うお金と将来への備えのバランスを考えることが大切なのです。
まとめ
一言で言えば、次のようになります。
収入を将来の貯蓄と現在の生活支出に適正に配分することです。
ここを置き去りにして、先取り貯金を考えるには無理があると思っています。
先取り貯金を行うのであれば、まずは、ライフプランを考え整理することが先です。
いつまでにいくらのお金が必要になるか明確になれば、逆算して貯めていく金額を割り出すことで出来ます。
先取り貯金は決してやみくもに行うものではありません。
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