年収600万円世帯でも貯金ゼロ。赤字家計を脱出できないのは危機感の低さにあり

赤字を発生させないことの重要性

家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。

赤字家計の問題点は家計簿をつけていないことと、赤字がまずいと感じていないことにあります。

「今を我慢して貯金する意味が分かりません」と話された私の相談者さんは1人ではありません。

意味が分からなければ当然ですが行動に移すことはありません。

そのため赤字で貯金できない状態でも、家計を改善しようと鬼気迫るような迫力の人をいまだに見たことがありません。

なんとなくマズイ?

毎月苦しいから何とかしたい。

このくらいのほわぁんとした危機感が一般的かもしれません。

そこで今回は赤字を発生させないことは大事だというテーマで家計を見ていきましょう。

 

 

 

赤字を発生させない

金融リテラシーマップ(金融経済教育推進会議2016年1月)では、最低限身に付けるべき金融リテラシー(お金の知識・判断力)として、赤字を発生させないことの重要性の理解をあげています。

赤字を発生させない。

一言で言えば、そうなのですが、これは意外と奥が深いのです。

赤字を発生させないための家計管理スキル

赤字を発生させないためには、収支のバランスを考えることが必要になります。

収支のバランスを考えるということは、必要なものと欲しいものの区別をつけ、さらに購入するものの優先順位を考えることになります。

収入の範囲内で支出を抑えるためには、「計画」も立てなければなりません。

赤字を発生させないためには、このようにいろいろなスキルが必要です。

いままで家計の管理を行っていなかった人が、いきなり赤字から黒字に変身することはまずありません。

なぜなら、今見てきたようなスキルがないからです。

では、どこから始めればいいのか?ですが、スタートはここです。

「赤字家計を脱出したい」と、決めること。

 

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赤字は嫌だと心底思った時が家計改善のスタート

赤字を続けていけば、必ず貯蓄ゼロへのカウントダウンがはじまります。

今現在ある貯蓄を取り崩して赤字を補てんしていくからです。

赤字額と貯蓄額にもよりますが、いつまで貯蓄が持つのかは大きな問題です。

貯蓄がゼロになったらどこから補てんしますか?

貯蓄が底をついて、急にまとまったお金が必要になったら?

「家計が苦しくて」

「赤字なんだよね」

と、挨拶のように口にする人がいますが、そういってなぜ笑っていられるのか理解しがたいところです。

まだまだ、取り崩す貯蓄が残っているからでしょうか。

貯蓄が無くなったら借金

赤字は嫌だと心底思ってくださいと書きました。

何故か??

赤字である家計状態に慣れてしまうと、ヤバいよね?という感覚が薄くなってしまうからです。

赤字状態に慣れてしまった人が考えることは、どうやってお金を回していくかです。

やってくる支払い

毎日の生活費の工面

現金が足りなくなれば、クレジットカードを使用して自転車操業を始めます。

それでも足りなければ、今度はどこでどう借りるか考えていきますよね。

赤字家計を脱出したほうがいい理由

そんな大げさな。

確かにクレジットカード使って自転車操業してるし、借り入れもしてるけどなんとか生活回ってますよ?

こういわれる相談者さんは実は少なくありません。

赤字はマズイなと思いつつ、今日食べるためのお金がない!明日の支払いのお金がもうどーやっても出せない。

そんな状態ではないから、ズルズルとぬるま湯につかったまま事態を悪化させてしまうのです。

もし、病気やなにか今の日常に影響を与えることが起こって収入が途絶えたとしましょう。

クレジットカードなどの支払いはわが家の緊急時でも待ってはくれません。

確定している支出が多ければ多いほど、事態の急変に家計はついていけません。

このような時にクッションとなるのが貯金です。

わが家のリスクを想定して貯金する

仮にパート代全額を家計に入れているママさんが病気になってママさんの収入が止まったらどうしますか?

え?

どうする?

実家の親の体調が悪くて介護するために離職することになったら?

一人ひとり実生活の条件に合わせて、わが家のリスクはどのようなものがあるのか洗い出すといいでしょう。

そのリスクをどのように回避するのかも同時に考えておきましょう。

例えば大黒柱の死亡は家計に大きなダメージを与えますから、一般的に貯金では賄えません。

そこで、生命保険に加入して備えますね。

これはリスクの移転といいます。

どのようなリスクがあるのかさっぱり浮かばないという人は、まず緊急資金に月の生活費半年分を貯めることをおすすめします。

収入以上の支出であれば赤字脱出はできない

貯金するためには、収入の範囲内で支出と貯金を賄わなければなりません。

そりゃそうだよね?

と思われるかもしれませんが、ここが一番難しいのです。

赤字ということは収入の超過する支出の状態です。

赤字額にもよりますが、かなり大幅に家計をダウンサイジングしないとなりません。

と、ここで問題が発生します。

赤字家計の人は家計収支を把握していないがために家計改善を行えないのです。

まず、家計簿をつけて年間の支出を全て洗い出してみましょう。

いくら赤字なのか?

わが家の真の姿を捉えることが赤字脱出のスタートになります。