私立高校授業料実質無償化の勘違いで家計がピンチに。

私立高校授業料実質無償化を正しく知ろう

家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。

家計管理をお話しするときにあまり積極的に普段触れない部分が各種制度です。

このサイトでもほとんど制度解説はしていません。

なぜかというと、家計管理の軸ができていない人は制度ありきプランを考えようとしてしまうからです。

制度ありきプランで行動を考えてしまうと、制度が変わるたびに右往左往する羽目になります。

例えば主婦の働き方です。

配偶者控除が変わるというニュースの後で質問が多かったのが、働き方です。

どういう働き方が得かという類のもの。

制度に自分の人生を合わせるよりも、利用できそうな制度は積極的に利用するというスタンスの方がいいのかなと個人的には思います。

とはいえ、私立高校授業料実質無償化の制度は家計に大きな影響を与えますし、誤解されているケースもままあるので今回取り上げてみました。

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わが家の進学希望は公立高校です

わが家は公立高校へ進学希望だからと、まったく私立進学を想定していないママさんは少なくありません。

そのため、なかなか家計改善時に私立モードでの家計設計を受け入れてくれません。

現在の余裕のない家計状態で、万が一希望通り公立ではなく私立進学になったらどうするのだろう?

という心配がヒットしてしまう家計が実際に存在します。

「私立高校進学は想定していませんでした!」と公立高校進学を心底信じておられたようです。

残念ながら高校進学は試験を受ける必要があるため、必ずしも希望通りの進路に進めるわけではありません。

そこで、費用負担の重い私立高校進学を想定して家計を設計しておくことが大事になります。

私立高校授業料実質無償化スタート

費用負担の重い私立高校進学を想定して家計を設計しておくことが大事なのですが、なかなか難しいところです。

私立高校の学費負担は家計に大きな影響を及ぼします。

想定外の私立高校進学によって大学用に貯蓄してきた学資保険を取り崩した家計もあります。

この私立高校授業料実質無償化という新しい制度は家計にとって大きな存在となる制度です。

しかし、勘違いされている人もおりますので、今から一緒に内容を確認していきましょう。

私立高校授業料実質無償化とは?

私立高校授業料実質無償化の制度の中身を見ていきましょう。

高等学校就学支援金は国の助成です。

対象者は私立の高等学校、特別支援学校(高等部)、高等専門学校(1~3年)、専修学校(高等課程)に在学する生徒です。

軽減額は年収目安(4人世帯)が910万円未満が年額11万8,800円、590万円未満が年額39万6,000円です。

年収目安(4人世帯)が590万円であれば、授業料が39万6,000円軽減されますから、それ以上の授業料の学校へ通学の場合は差額を各人が負担することになります。

 

文字で書くとわかりにくいかと思いますので、図を作成しました。

 

※公益財団法人東京都私学財団の資料よりおおきFP事務所が独自に作成

※年収はあくまでも目安です。
詳しくは、下記リンクでご確認ください。

高等学校就学支援金の勘違い

高等学校就学支援金は、国から学校に支払われます。

いったん各家庭が毎月授業料を納付した後に学校より還付するなど各学校によって支給方法が異なります。

私のご相談者さんのケースでは、毎月学校に授業料を納めて、学年度末に口座振り込みによって還付されていました。

と、いうことは、実質無償化のこの高等学校就学支援金は、一年分家計から先に捻出する必要があるかもしれないということです。

 

無償化=費用負担なし=お金準備する必要なし

 

このような図式でいると、家計に大きな負担が生じることになるかもしれません。

どのような取り扱いになるのか、あらかじめ進学する学校に確認しておいた方が安心ですね。

東京都の私立高校授業料実質無償化

東京都の場合は、国の高等学校就学支援金プラス東京都の助成である授業料軽減助成金があります。

年収目安910万円未満の世帯で、国の高等学校就学支援金プラス東京都独自の助成である授業料軽減助成金授業料の負担軽減額は最大年46万1千円です。

こちらも図を参考にしてください。

※公益財団法人東京都私学財団の資料よりおおきFP事務所が独自に作成

※年収はあくまでも目安です。
詳しくは、下記リンクでご確認ください。

ちなみに、助成される金額は、在学校の授業料が上限となります。

授業料と助成金の差額で余った分を自分の懐に入れられるわけではないということです。

私立高校授業料の実質無償化に関する勘違い

授業料の実質無償化はその文言通り「授業料」の助成を指しています。

これは大変多い勘違いなのですが、私立高校の学校納入金は全額が授業料ではありません。

例えば、月の学校納入額が5万円だったとします。

その内訳が、授業料3万円で、残りの2万円は施設負担費などの金額です。

入学案内や進学先の学校HPなどで必ずご確認いただきたいところです。

毎月支払う金額は頭にインプットされていても、その支払額の内訳までしっかりと確認している人はかなりの少数派です。

私立高校へ通う費用が全額タダになる制度ではないということのご理解は必要でしょう。

そのほかにもかかる私立高校での費用

私は家計管理がメイン業務ですから、家計の面からのお話を最後にさせてください。

私立高校授業料の実質無償化は、確かにありがたい制度です。

しかし、今見てきたようにすべてがタダになる制度ではありません。

私立高校の場合は制服等もワイシャツや靴下に校章入りの指定、修学旅行費が海外など、費用負担が大きくなるケースもあります。

私立高校授業料の実質無償化を過度に楽観的に受け止めてしまうと、思わぬ家計負担の重さに苦しみかねません。

しっかりと家計を設計して、マネープランを立ててほしいと思います。

 

※このページは2020年6月時点での内容です。

最新情報は下記リンクをご参考になさってください。

文部科学省 高校生への修学支援
東京都私学財団