住宅ローンは固定金利を選択!家計管理視点からFPが固定金利をすすめる理由
住宅ローンを借りるなら固定金利をすすめる理由
金利タイプは大きく2つ
住宅ローンの金利タイプには、固定金利と変動金利があります。
3年固定などの金利タイプは、変動金利に分類されます。
さて、この金利タイプの違いをご存じでしょうか。
弊所の住宅ローンの見直し相談では、返済中の金利タイプを把握していない人がほとんどです。
もちろん、固定金利と変動金利の違いもご存じありません。
住宅ローンを組むときに、住宅販売業者や金融機関に勧められたまま契約したため、金利に関して意識していなかったといいます。
契約時に確認したのは、月の返済額。
返せる額だったから、その契約でいいやという感じだったようです。
金利タイプを知る
まず、金利タイプの特徴を確認しておきましょう。
固定金利はその名の通り、借入時から完済時まで金利が同じです。
仮に金利2%で借り入れたら、完済時まで金利2%です。
一方、変動金利は、金利が変わります。
適用金利が下がれば嬉しいのですが、金利が上がれば悲しいことになります。
将来の金利がどのくらい変わるのかは、誰にも分らないところです。
金利が変わっているかどうかは、半年ごとに送られてくる返済計画表を見ればわかります。
このお知らせを見ない人が多いのですが、必ず見てくださいね。
わが家の金利を確認する
借入時の金利と現在適用のわが家の金利を確認しましょう。
確認をしないと、金利に変更があっても気が付きません。
と、いうのも、返済額が毎月同じだからです。
金利に変更があっても返済額が同じ。
では、どこが変わるのか?
返済の内容(内訳)が変わります。
返済表に「元金」と「利息」と書かれた欄があると思います。
その、元金と利息のバランスが変わるわけです。
金利が変われば元金の減りも変わる
説明のためにシンプルに例えますね。
※数字はあくまでも説明のために用いる目安です。
特に試算してはじき出していません。
月の返済額が8万円とします。
元金が7万5千円。
利息が5千円。
金利が上がると、利息が大きくなるので、元金の減りがその分小さくなります。
逆に、金利が下がれば、利息が小さくなるので、元金の減りが大きくなります。
と、いうことは、月の返済額のその返済内容である元金と利息のバランスが変わるわけです。
元金が7万3千円。
利息が7千円。
という具合。
元金が予定通り減っていかなかった場合は、きちんと返済をし続けて完済時期になったとしても、残債が発生します。
元金の未返済が生じるということです。
金利動向にもよりますので、どのくらい残債が発生するか返済中は予想がつきにくいというリスクがあります。
借入時から35年後までの金利の動きは想像がつきません。
万が一、完済時に未返済の元金が生じていた時は対応できる家計にしておきたいところです。
変動金利を選択するのであれば、最低限このことは覚えておいたほうがいいでしょう。
ほかにも、変動金利ならではの1.25倍ルールや5年ルールなどありますが、割愛しますね。
固定金利をすすめる理由
私が固定金利をすすめる最大の理由は、家計管理面からみたリスクヘッジです。
家計管理が苦手な人は、家計にイレギュラーなことが起こると管理不能に陥っていきます。
そのため、家計からいかにイレギュラーなものを排除していくかが家計設計のポイントです。
その観点からすれば、毎月一定額を一定期間返済していけば完済できるのは、固定金利の住宅ローンということになります。
2019年5月時点ですが、固定金利と変動金利では、変動金利のほうがここ数年では若干金利が低い程度です。
フラット35であれば1%前半ですよね。
固定金利でこの低さであれば、わざわざ金利変動のリスクと、家計コントロール不能リスクを負ってまで変動金利を選択する魅力は低いと言わざる負えません。
変動金利から、固定金利へ借り換えると返済額が上がるかもしれませんが、低金利である今、借り換えておく選択もあるかと思います。