ママ起業の収入はパートより多い?起業かパートで迷ったら考えておきたいこと
ママ起業と家計のバランス
家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)おおきです。
個人事業者さんの家計相談では事業と家計の両面を拝見しています。
事業と家計がきちんと切り離されていることが理想なのですが、弊所で拝見するケースは混在しています。
事業と家計の混在はママ起業にも見られます。
今回はママ起業さんの事例で、思考の混在ケースであるパートと起業の選択についてみていきたいと思います。
目 次
ママ起業しようと思います
昨今のママ起業ブーム。
おうち起業支援家さんもたくさん現れています。
起業しようと思います。
そんなお声をチョイチョイいただきます。
その度にお伝えすることがあります。
今回はそのお話をご紹介しましょう。
ママ起業とパート選択はどちらがおすすめ?
弊所では、個人事業者の簡単な経営アドバイスも行なっています。
個人事業者だと、どうしても事業と家計がリンクしてしまうので、触れずに家計を整理できないからです。
今日のお話は世帯主さんではなく、ママさんの起業にフォーカスしますね。
家計が苦しいと収入を増やすために仕事をしようとママさんは考えます。
そこで、このような質問をいただきます。
「収入が必要なので起業しようかと思いますが、起業とパートでは、どちらがオススメですか?」
ママ起業とパート選択の答えは家計簿の中にある
起業とパートを天秤にのせること自体がナンセンスなのですが、この質問をする人にとってその話は興味がないところでほとんど聞いてもらえません。
そこで、今回もそのお話は置いておくとして、シンプルに起業とパート選択の判断基準を考えてみましょう。
起業かパートの選択をするために、考えなければならないのは、一つです。
「家計」
ママの収入がゼロでも家計になんら支障が無ければ、起業へGOでも構わないでしょう。
この場合の家計に支障がないとは、今だけではなく将来においてもです。
子供がいる場合は支出が増加する時期も乗り越えられて、さらに老後資金も確保できる算段があればという意味です。
このようなケースでは、家計に一切手をつけない条件であれば問題ないでしょう。
要は、ママの収入をあてにしなくても家計にとってなんら影響がない状態であればということです。
ママ起業とパートの収入はいくらか勘定と感情を分けて考える
相談を受けていて感じるのは、家計を冷静に見ている人が少ないことです。
「今何が家計に必要なのか?」
そもそも、なんのために働こうと思ったのか?
そこが不明確になってしまう傾向がみられます。
家計が苦しくて家計にお金を入れる必要があるなら、選択はパートもしくはフルタイムです。
起業するな。と、言っているわけではありません。
起業のタイミングでは無いのです。
なぜなら、起業して家計に必要な収入が得られるのはいつですか?
本当にその収入は得られますか?
収入が得られるまでの間、家計はもちますか?
ママ起業の借金は危険。家計簿とキャッシュフローで冷静に判断しましょう
ママが起業して収入を得られず、家計は苦しいまま。
教育費の準備をすることもできず、子供は全額奨学金を借りて大学へ進学。
このような事態になっては、本末転倒かと思います。
あり得ないと思うでしょうか。
私が手掛けるご相談では一番多いケースです。
一度起業してしまうと、収入がないにもかかわらずなかなかやめる決断ができません。
収入がないだけでなく借り入れが増えている状況下においても、廃業してパートする決断ができないのです。
そのため、起業しようかな?と、頭をかすめたら、「家計」の棚卸をきちんとして、せめてCF(キャッシュフロー)表を作って簡単でもいいから確認をしてください。
今の家計と将来の家計にとって必要なお金がきちんと確保されるかどうかです。
この時に大事な判断基準があります。
甘い見積もりをしないことです。
こんなはずじゃなかった
ママ起業されている人の中には、借り入れがある人もいます。
百万円単位で借り入れているのですが、借り入れ当初から収支予測やそれに伴う返済計画がありません。
なんとなく、やっていけそう。
そんな根拠のない見積もりでスタートして、借入返済が負担になり「こんなはずじゃなかった」とおっしゃる人は少なくありません。
もともと家計が苦しくて収入の足しにするために起業していますから、借入返済まで家計から捻出することは難しい状況です。
しわ寄せは必ず家計に現れます。
起業への甘い誘い文句に心奪われることなく、スタートする前にきちんと計画を立てて冷静に判断することをお勧めします。