家計管理のコツ お金を貯めたい人が今すぐやめるNG行動
貯蓄するならお金の流れはシンプルがいい
家計簿歴35年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)のおおきです。
家計簿・家計管理のお悩みをたくさんいただきます。
貯蓄できないと悩む人の家計は、ムダに複雑化しているケースが多いものです。
複雑な導線をシンプルにすれば、家計はすっきりとします。
貯蓄のできる家計はお金の流れがシンプルですね。
今回は、複雑化してしまう要因として多い「口座の使い方」を考えていきたいと思います。
お金が貯まらない
お金を貯めたい。
そう思いつつ、なかなかお金が貯められない。
どうしたらいいのだろう?
こんなお悩みを抱えていたら、ちょとお付き合いくださいね。
今回は、お金を貯めたいと思うその気持ちと逆の効果になっている行動を取り上げましょう。
お金を貯めるために頑張った行動が、逆の効果を生んでしまうのでは切なすぎますよね。
家計相談の現場から見てきたNG行動をご紹介します。
お金のたまらない人のNG行動
今回ご紹介するお金が貯まらない人のNG行動は、口座を分けすぎる行為です。
口座を分けすぎる。
口座を分けすぎる行為は大きく2つあります。
一つ目は、意味もなく口座が分かれているケース。
もう一つは、目的別に口座を分けたら複数になったケースです。
もちろん管理できればOKなのですが、複数の口座を管理するのは手間がかかりますし、とても大変です。
意味もなく口座が複数あるケース
貯められない人の特徴として複数の口座を使用しているケースのうち、意味もなく口座が複数ある場合から見ていきましょう。
例えばこのような感じです。
通信費はB銀行から引き落とし。
給料の振込はC銀行。
クレジットカードの引き落としはD銀行。
貯金口座はE銀行。
ご本人自身もなぜこのように口座が複数に分かれたのか明確には把握していません。
銀行口座をまとめる
給料が入金された後に各銀行の引落し分を振り分けるのは手間がかかります。
あっち行って、こっち行って。
面倒くさいので口座をまとめてしまうことをおすすめします。
給料が振り込まれる口座を生活費口座として、そこから生活用の支出引き落としをまとめてしまうといいでしょう。
クレジットカードの取り扱いに関しては、あとで触れますね。
口座をまとめてしまうだけで、ムダな手数を減らすことができます。
お金の流れも見えやすくなります。
貯蓄口座が複数あるケース
適当な残高のある口座を複数保有している人がいます。
独身時代の貯蓄であったり、過去に貯蓄できていたころの残高であったり、または児童手当の入金口座などです。
このようなケースでは、資金をグルグル移動させて目減りしている現象が起こりがちです。
特にカツカツ家計のケースでは、現金が不足したときに貯蓄を取り崩しますよね。
A口座から引き出して、引き出した分A口座が不足するから、B口座からA口座へ資金移動。
B口座の残高が少なくなってきたので、D口座からB口座へお金を移して……
そして、管理不能になります。
貯蓄できない人は口座を減らす
ご本人は資金移動しながら補填しているつもりなのですが、資金移動を繰り返していうるちによくわからなくなり口座のお金は目減りすることになります。
これは当然のことです。
やらなければならない手数が多くなればなるほど、把握することが困難になります。
あっちのお金がこっち。
こっちのお金はそっち。
これでは収支がさっぱりわからなくなりますね。
補填しているとの勘違いが、家計の危険度を見誤らせてしまうリスクの高いケースです。
貯蓄できない行動を具体例で再確認
具体的に数字を入れてみてみましょう。
まず、給料日にA口座へ3万円入金します。
そのあとお金が足りなくなってB口座から5万円引き出します。
また給料日にA口座へ3万円入金します。
ボーナスが出たので、さらにA口座へいくらか入金します。
しかし、お金が足りなくなったので、B口座から引き出して使います。
これを繰り返していると、実際の両口座の残高合計は目減りしていることになります。
しかし、毎月A口座へコンスタントに入金しているため、「貯金ができている」と勘違いしてしまう傾向があるのです。
妙な安心感を抱くので、疑問すら持たないところに怖さがあります。
家計管理で使う基本口座は3つ
お金の流れをわかり分かりやすくすることが貯金のコツです。
貯蓄できない人の家計は複雑になりすぎていてよくわからない状態になっています。
貯蓄ができない人はまず家計のお金の流れをシンプルにしましょう。
おすすめするのは基本口座を3つにすることです。
生活費口座
プール口座
貯蓄口座
生活費口座は給料振込口座です。
この口座に生活支出の引き落としを集約します。
プール口座は一時的な資金を置いておく口座です。
貯蓄口座は長期資金を積み立てていく口座です。
子供がいれば、子供名義の貯蓄口座をプラスしてもいいでしょう。
クレジットカードの引き落とし口座
貯蓄のできない人、赤字家計の人はクレジットカードの使用をやめることをおすすめします。
とはいえ、どうしてもやめられないという人はクレジットカードの引き落とし口座を別途作るといいでしょう。
その理由は、クレジットカード利用の引き落とし額を把握しておかないと家計は赤字になりやすいからです。
生活費口座にクレジットカードの引き落としをまとめてしまうと、特にクレジットカード利用を意識することもなく生活費が圧迫されるという事態に陥ります。
これを解消するためには、クレジットカードを利用したときにその同額を現金で確保しておきます。
確保した現金は、クレジットカード引き落とし口座へ入金します。
なるべくその都度口座へ入金してくださいね。
封筒に貯めておいてまとめて入金しようとすると、その封筒の現金は銀行口座へ行かないことが往々にして起こります。
家計が苦しくて手許に現金があれば使ってしまうのが私たちです。
その特性を知っておいて、リスクを減らす行動をしておきたいところです。