下町の父ちゃん母ちゃん経営は、相続対策を早めにしておかなければならない理由

「相続ったって、残すお金なんかないよ」
そう苦笑いをするお父さん。

下町の相続の問題点

ここ下町では、父ちゃん母ちゃん経営の個人事業者さんは多くいらっしゃいます。
弊所が見てきた事業者さんは、
お父さんが事業を起こし、息子(娘)さんに代替えが行われるスタイル。
職人タイプです。

お父さんの仕事を手伝って、働いてきた息子(娘)さん。
そろそろ、先代の後を継いで事業主として活動していく年齢。

ここで問題が生じるケースは、次のような感じでしょうか。
・お父さんがなかなか引退してくれない
・息子(娘)さんを一人前に扱わない

まだまだ俺は働ける。
息子(娘)は半人前だよ。

息子(娘)さん側では、かなりのジレンマです。

内情はお父さんしか知らない

そんな状態ですから、事業の内情をお父さんは自分で抱えてしまっています。
本来であれば、経営状況を共有でき、親子で方向性を合わせられればベストなのですが。

経営状況をお父さんが開示するのを避けているために、家族は知らないまま。
お父さんが事業を退くときになって初めて借り入れの存在を知ることになります。

事業上手くいってなかった。

とはいえ、後を継ぐ息子(娘)さんも、職人肌。
経営のことはどうしたらいいのかわかりません。
ただただ、不安と怒りとがいりまじり、親子の関係も悪化。

このような状態にならないためには、
お父さんは息子(娘)さんに借金を継がせる覚悟を早々に決めなければなりません。
経営状況をきちんと説明する必要があります。
息子(娘)さんが、その借金を継いで商売をしていく覚悟を決める時間を確保してあげる必要があります。

しかも、お父さんの付き合いで仕入先やお客さんが存在しているケースもありますから、
お父さんの存命中に息子(娘)さんに引き継がせてあげることも大事になります。

早めに対策を立てておくことが大事

お父さんが亡くなって初めて商売が借り入れで回されていたことを知ったご家族は、大変です。
ほとんどのケースで、父ちゃん母ちゃん経営は自宅がお店です。
2世帯、もしくは3世帯同居であったりしますから、息子(娘)さんは商売を辞める決断すら難しくなります。

お父さんが元気なうちに、息子(娘)さんを一人前の職人であるときちんと認めて、事業の引継ぎを始めていくといいでしょう。

相続対策というと、お金をどう残すかのテクニック的な話が多いものです。
しかし、下町では、負の相続が多いのも現実。
お金を残すことだけが相続ではなく、残された家族がいかに不利益を受けないように準備をしておくことも大事な相続になるのではないかと思います。